ZENITH の懐中時計です。当商品は約100年前（ 1926 年：大正15 年）に、国鉄が“鐡道 省”と呼ばれていた時代に職員に配布した 鉄道時計で、 大変珍しい貴重な逸品になりま す。国鉄の鉄道時計はSEIKO社製のものが一般的ですが、精工舎やSEIKOの懐中時計(いわゆる19セイコー)が鉄道時計として採用される以前の明治～大正時代は、外国製の懐中時計(WALTHAM、ZENITH、OMEGAなど)を鉄道時計として採用していました。 当商品はこの内の一つ、スイスのZENITH社製の貴重なものです。文字盤はポーセリン製(磁器製)で、ひび割れ等が全くない綺麗な状態です。 磁器製ならではの劣化しにくい美しい白さが際立ちます。 また鉄道時計らしい視認性に優れたデザインのとても見やすい数字表記のものです。機械は当時のZENITH製、7石のものです。 盤面には豪華なエングレーブ装飾も見られます。 シリアル番号、裏蓋刻印を含めて1926年頃(大正15年)製造と推定されます。ケースの裏蓋は一般的なスナップ式（圧入式）ではなく、同時代に用いられていたスクリューバック式（ねじ込み式）です。 また、“東寅 54 鐡 道省"の刻印が入っています。大正15年頃当時、鐡道省東京鉄道局の鉄道局員に配布されたものです。 刻印は わざと傷で消された跡がありますが、当時の懐中時計は国外 流出を防ぐためによく見られる手法です。 サイズは約50mm幅です。精度は現在、縦置きで日差2分程度で稼働しています。 竜頭による時分針合わせ、巻き上げ動作も問題ありません。“ 鐡 道省 ”時代の外国製の国鉄鉄道時計はほとんど見かけることはなく、大変貴重な逸品です。 100年前のものとしては状態は良いほうだと思います。 写真で状態をご確認の上、ご検討をよろしくお願いします。