★相撲画家 松岡リン「巡業バスの横綱北の湖と若い衆」リン・スターム・レビィ画集「相撲の世界」より オフセット 限定500部シートサイズ 29.7×36.5cm状態良好巡業バスの横綱北の湖と若い衆1979年8月 東北1979年の夏の巡業中、私はバスの中の横綱を絵にしよう と懸命だった。顔が見えるのが一番いいと思ったが、それは能だということもわかっていた。なぜなら、横綱はいつでも一番前の席に坐るからだ。青葉山関が運転手の助手席に坐るようにして後ろを向けば、横綱やみんなの顔が見える、という妙案を出してくれた。それで巡業が終わる一日前に私は、やっとのことで許可をとりつけた。6時間もの長いバス旅行だったので、時間は十分にあった。しかし、初めの数時間は、険しい山道と急なカーブを切り抜けるのに費された。我々の大型豪華バスには、とても難しい道だった。私は運転手が、いくつものカーブを実にうまく曲がるのにびっくりした。ある時には5回も6回も、パックしたり、前進したりしなければ、通れないこともあった。私は自分の座席から投げ出されないように、しがみついていなければならなかった。それに私は、2、3分毎に写生するのをやめなければならなかった。バスが揺れて、私は酔ってしまったからだ。北の湖関は、バスの天井の小さなTVを見続けていた。YOKOZUNA KITANOUMI, WAKAISHU,JUNGYO BUSRIDETohoku, August 1979During the 1979 summer jungyo, I was very anxious to try to do a drawing of the yokozuna on the bus. I thought it would be best to see his face, but I also realized it would be impossible because he always sits in the first seat. Aobayama zeki came up with the idea that I should try to arrange to sit in the driver"s helper"s seat backwards, so I could see his and everyone"s seat. So the next to last day of jungyo I received reluctant permission. It was a long 6 hour ride, which gave me a lot of time, but the first few hours were spent negotiating steep mountain roads and sharp turns, which our huge luxury bus found very difficult. I was amazed at how the driver was able to make some of those turns sometimes possible only after backing up and going forward 5 or 6 times. I had to hang on to the rail so I wouldn"t get thrown out of my seat, and I had to stop drawing every few minutes because the motion of the bus kept making me sick Kitanoumi was watching a small T.V. hanging from the ceiling of the bus作家略歴松岡リン リン・松岡リン・スターム・レビィLynn Sturm Levyリン松岡(Lynn Matsuoka)1946年ニューヨーク生まれ。テンプル大学タイラー芸術学科で学び、1969年にフリーのコマーシャルアーチストとしてスタートする傍ら、視覚芸術学校でジャックポッタに師事。全米の著名雑誌やTVネットワークの仕事で、ニューヨークからフロリダ、カリフォルニアと移り、最後に東京に来て相撲を見い出した。1974年から相撲を学び、描くようになり、1980年の日本相撲協会のカレンダーは彼女の作品でつくられ、豪華画集「相撲の世界」も発刊。大相撲のポスターも手がける。現在ニューヨークにてスポーツや音楽をテーマとした作品を制作。彼女が描いた相撲作品は、相撲の歴史の記録としても貴重なものです。著者「鬢付の匂い―相撲とわたし」