英国陶芸家(デザイナー)スージークーパーの若い頃(1930年頃)の作品です。バックスタンプが手書きのサインですので、グレイ社から独立した直後の若々しいスージーの勢いを感じさせる素晴らしい作品です。いわゆる「彫り物」と呼ばれている作品群で、彫り込まれたデザインは数種類あり、チューリップやフォックスなどの動物が描かれている作品があります。ここにご紹介する作品はリス柄の大きなフルーツボウルです。数えるとリスが3匹描かれています。スージーの解説図書「スージークーパーのロマンティックスタイル」(飯塚恭子著)や洋書「Susie Cooper Production」(ビクトリア&アルバート ミュージアム)、「Susie Cooper A Pioneer Of Modern Design」にも、同じフルーツボウルが紹介されています(写真6枚目、7枚目)。写真では見たことはありましたが、現物を見たのは(手にしたのは)この作品が初めてでした。マーケットではほとんど出回らない、とても貴重な逸品です(海外には出したくない)。大きさは、高さ:11.5cm、口径24cm作製年代は、このバックスタンプの手書きのサインから、1932年頃の作品と推定されます。コンディションは、90年も前の作品ですが、ひび割れや欠けはなく、素晴らしいコンディションです。また、アースンウェアのヴィンテージですが、貫入も見当たりません。作製時からの焼きムラ、色ムラはありますが、目立った汚れや擦り傷もなく、とても良いコンディションです。スージークーパーのコレクターさんなら、この作品のようなひと味違った作品もラインナップに並べてみてはいかがでしょうか。≪5上≫No.779