中川隆氏の手になるバロックフルート、シェラー・モデルです。ピッチはA＝４１５Hzです。
十数年前に製作者に直接依頼して入手したものです。メインの楽器のひとつとして愛用しておりましたが、当方の養生のさせ方が良くなかったためか、頭部管に反りを生じさせてしまいました。そのため、中川氏に依頼して頭部管のみ再度新調してもらったものが当出品商品となります。
楽器のコンディションですが、前記のように頭部管は新調されたもので、当然のことながら反りやクラック等の不具合はありません。また、その他のパーツ（左手管、右手管、足部管）も同様です。
肝心の音色ですが、スティンズビーJrやベウカース、I.H.ロッテンブルグ、T.ロットといった名だたる名工たちの作品のいずれとも異なる個性を持っています。また、音域は最低音のd1から最高音のa3まで演奏可能です。バロックフルートでは鬼門とされるf3も●●〇●〇〇Kの標準運指で十分に実用になります。エマニュエル・バッハの無伴奏ソナタ・イ短調といった重要なレパートリーにも対応しています。
楽器の仕様について補足しておきます。材質はコーカスウッドで、キーは銀製です。また、標準仕様はマウントなしのプレーンなタイプですが、中川氏に依頼して頭部管キャップおよび４か所のマウントに模象牙を使用してもらいました。楽器の印象が明るく華やかになったと思います。
価格設定についてご説明いたします。中川氏は現役でご活躍の製作家ですので、新品をオーダーすることが可能です。その場合、楽器本体価格に模象牙マウントのオプション価格が加わって総額が205,000となります。楽器のコンディションや響きを考慮すれば、それに近い価格での出品も考えられましたが、この素晴らしい楽器を他の方にも味わっていただきたく思い、あえて低めに価格を設定いたしました。即決価格でご落札いただいた場合は、汎用のソフトケースをおつけいたします。
さらに詳しい説明については、中川氏のホームページを参照していただければと思います。リンクは木管楽器製作 中川隆｜Historical Woodwinds Takashi Nakagawa (flute-fruit.net)です。
説明は以上です。疑問な点がありましたら、何なりとご質問ください。そして、ご落札のあかつきには、24時間以内のご連絡と、48時間以内のご入金をお願いします。円滑な取り引きにご協力いただければありがたく思います。（2022年 3月 18日 10時 05分 追加）多くのアクセスありがとうございます。そもそも、当楽器を出品するに至ったいきさつを説明しておきます。２年前に、中川氏に依頼して同じシェラーモデルを黒檀で作ってもらいました。材の違いによる響きの違いを確かめた上で、作品に応じて使い分けようと考えてのことでした。しかし、私の技量不足か、それ以上に中川氏のクラフトマンシップの確かさにより、明確な違いを感じることはありませんでした。どちらも名器と申し上げて差し支えないと思います。同じ楽器を２本所持していても使い道がありませんので、経年変化を経て、より安定している当楽器を出品しようと考えた次第です。ご検討よろしくお願いいたします。（2022年 3月 23日 18時 45分 追加）参考になればと思い、音のサンプルをYouTubeにアップしました。コンパクトデジタルカメラの内臓マイクによる収音の上、演奏のクオリティーも低いですが、他にはないシェラーの音を感じ取っていただければ幸いです。リンクは(14) シェラー(ヘンデル) - 動画 (youtube.com)です。もしも可能ならば、何らかの外部スピーカーでお聞きいただけると助かります。ノートパソコンの内臓スピーカー等ですと、ただでさえ音質の良くないものが余計に悪く聞こえてしまいますので。（2022年 3月 30日 14時 28分 追加）参考音源ですが、聞くほどに本来の音との隔たりを感じましたので削除いたしました。代わりに、オリジナルのシェラーによるバッハの演奏を新たにアップしました。演奏は有田正広氏によるものです。オリジナルは本象牙ですので、象牙独特のきしみが加わっていますが、シェラーの音を感じていただけるものと思います。リンクは(25) シェラー（バッハ） - YouTubeです。ご参考になさってください。