ブラックΛヒル（ブラック(ラムダ)ヒル）のトランペットマウスピース「CANDOLI」シルバープレート（銀メッキ仕上げ）です。 やや角ばったボディ上部には「BLACK Λ HILL」反対側に「CANDOLI」と、シンプルながらも趣のある素敵な書体の刻印がしっかりと深めに入っています。スタン・ケントンやウディ・ハーマンのビッグバンドの他、主にウェストコーストで活躍したピート・カンドリ氏（Pete Candoli 1923～2008）のシグネイチャー・モデルです。神取忍モデルではありません。 弟のトランペット奏者コンテ・カンドリ氏とカンドリ・ブラザーズとしても活動することもあったようで、マーシンキウィッツからはピート・カンドリ氏とコンテ・カンドリ氏、両氏のシグネイチャーモデルが発売されています。ブラック λ ヒルのマウスピースは、1980年代～90年代にかけての短い期間にのみ存在した伝説的なマウスピースメーカーです。 ニューヨークにあるジャルディネリのマウスピース職人だったグレッグ・ブラック氏とジェフリー・ヒル氏の2人が起ち上げたメーカーで、アルトゥーロ・サンドヴァル氏やロジャー・イングラム氏などのトッププレイヤーが使用していたこともあって、多くのプロ奏者から絶大な支持を集めていました。 その後、製作本数の少ないまま製造を中止し、幻のブランドになっています。当時、日本にもわずかな本数が入ってきていて、1本2万円以上という価格で販売されていたにも関わらず非常に人気があり、常に入荷即完売状態でした。 後にグレッグ・ブラック氏は自身の名前を冠したブランドを設立して、現在でもトップクオリティのマウスピースメーカーとしてマウスピースを作っていますが、こちらも製作本数はかなり少なく入手困難になっています。マウスピースの全長は、V.バックなどの標準的なものより1～2mmくらい長く、全体の特徴的なシェイプも含めてややウェイトのあるミディアム・ヘヴィといえる形状になっています。 音色、演奏のコントロールのしやすさ、音程、音量など様々な要素を、高次元で絶妙でバランスをとってデザインされています。 シャンクの先端を指ではじくと、他のマウスピースにはない「キン」といった高倍音の奇麗な音がします。 詳しくはわかりませんが、金属の処理などにも特別なことがなされているのかもしれません。リムの内径はV.バックの10-1/2Cよりも小さいくらいで、カップはV.バックでいうところのEカップよりもさらに浅いカップになっています。 リムはやや厚めで、外側がなだらかに落ちるクッションリムのような形状になっています。リムの内側には絶妙なエッジが設けてあって、そこから少しえぐりが入っているので、バテてきてもカップの内壁に唇が当たらない素晴らしいカップ形状です。実際に唇に当ててみるととても感触の良いリムで、高音域や長時間にわたるハードな演奏でもバテにくく、かつ唇の自由度も確保してある素晴らしいリムだと思います。スロート手前はわずかに広くなっていて、音色や抵抗感などのバランスが緻密に考えられています。 ボア（スロート）は#27よりもタイトな#28くらいだと思います。 スロートの直線部分を長めに設けてあって、息の流れが安定して高音域の演奏を助けてくれます。バックボアはタイト気味な形状になっています。 演奏時に適度な抵抗感が得られ、最高音域を必要とされる場面でも音色を犠牲にしない程度に最大限の手助けをしてくれる、頼りになるバックボアです。高音域に的を絞ったマウスピースではありますが、極端に浅すぎるカップではないのでソロなどにも適していて、用途が広がります。サウンドは輝かしく存在感があり、高音域でもか細くなるようなことはありません。 キンキンしたうるさいような音色ではなく、芯のある魅力的な音がします。息を入れた時のレスポンスが良く、最高音域を容易に演奏することができ、演奏者の音域の限界点を上げてくれます。 ビッグバンドのリード奏者や、吹奏楽のポップスなどでも威力を発揮してくれます。 トランペットシャンクのピッコロトランペットで使うのも良いと思います。状態はところどころ小キズ、シャンク部にメッキ落ちが見受けられますがどれも演奏には支障ありません。 作りは全体にとても丁寧で、シャンク先端の薄く繊細な処理も美しく仕上げられています。マウスピースの表面とカップ内からバックボア、シャンク先端まで、綺麗に洗浄して適度に磨いてありますので、汚れなどの心配のまったくない清潔な状態にしてあります。おてがる配送 ネコポス（ヤマト運輸による匿名配送、追跡可能）で、日本全国送料無料にてお送りします。 基本的にはポストに投函されるようですが、ポストに入らない場合は配達員の方からの手渡しになるので安心です。 上手く緩衝材を使いますので、厚み3cm以内での梱包でもまったく心配なくお送りできます。厳重に梱包の上、ご送付いたします。