※ この作品について
デザイナーとしてのエライザ・シマンスは、ハイビクトリア朝のゴシック様式のデザインから、よりシンプルで流れるようなアールヌーボー様式とアールデコ様式のデザインへのドルトンズの変化の礎石の1つでした。彼女は1873年にドルトンズで働き始め、1928年にようやく55年間を終えました。１８８５年のゴシック様式の作品です。残念ながら写真３のように開口部分に１０ｘ５ｍｍ程度の欠損箇所があります。しかし作品のクオリティは高く、今となっては貴重な作品と言えると思います。 サイズ 高さ２７ｃｍ、直径（最大径）１４ｃｍ、口径（内径）３ｃｍ※ロイヤルドルトン ランベス窯について
1860年代後半まで、ドルトンは排水溝、塩ガラス張りのボトル、料理品、衛生陶器などの機能的なアイテムのみを生産していました。その後、ジョージ・ティンワースの到着によりすべてが変わり、1860年代後半から1870年代初頭の国際展示会での受賞に続いて、装飾品は同社の通常の生産の一部となりました。 その直後の1870年,アーサー・バーロウが加わり,後に3人の姉妹,ハンナ,フローレンス,ルーシーが加わりました。この家族は柔らかい粘土の上に野生生物を描く絶対的な達人であり、4人全員の作品はますます熱心なコレクターズアイテムになっています。 その後の数年間で、非常に有能なアーティストやデザイナーの「宝庫」がランベス工場に加わりました。19世紀末のトップデザイナーで、その作品はまだ比較的一般的であり、エライザ・シマンス、フランク・バトラー、エディス・ルプトン、マーク・マーシャル、マーガレット・トンプソン、ウィリアム・ロウ、フランシス・ポープなどの人々がいました。彼らの署名は窯印と同様底面に彫られています。19世紀には、作品は通常デザイナーと陶芸家の両者によって署名されていましたが、後の作品は通常陶芸家のみ署名されました。 ドルトンは、多くの陶芸家が40年から50年、あるいはそれ以上滞在したので、働くのに素晴らしい場所だったに違いありません。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ジョージ・ティンワース、ハンナ・バーロウ、エライザ・シマンス、アーサー・ピアース、ジョン・ブロード、ウォルター・ガンディ、フランシス・ポープ、ウィリアム・ロウ、ベッシー・ニューベリーが40年以上滞在しました。 20世紀には、ドルトンズは文字通り何百人もの人々を雇用していましたが、モード・ボウデン、ジェーン・ハースト、ウィニー・ボウステッド、ベッシー・ニューベリー、フローリー・ジョーンズ、エミリーとリリー・パーチントン、ジョージー・スミス、ミニー・ウェッブ、エイダ・トーセン、ルイーザ・ウェイクリーなど、彼らの仕事ぶりは際立っています。 残念ながらランベス窯は１９５０年代には閉鎖されてしまいましたが、残された作品群は愛好家のコレクターズアイテムとしての価値を失っていません。