1955年（昭和30年）頃の、光洋電機製 PARROT KR-4S1サブミニ管４球スーパーラジオです。ラインナップは1V6,5678,1AG5,1AG4 となっています。本ラジオはスピーカが鳴る真空管ラジオとしては世界最小クラスです。台頭するトランジスタラジオと僅かの時代を共存した日本製品で、緻密な設計と組立職人の技が光る昭和の逸品です。原型は1.5V及び45Vの電池が使用されていましたが、45V電池は現在では入手が難しいため9V電池（充電式）をDC/DCコンバータで約60Vに昇圧しています。9V電池は、安くて簡単に入手できる充電可能な9V,850mAHrのリチュームイオン電池が最適です。ヒータ用1.5V単二電池は何でも良いのですが、アルカリ電池が長持ちします。オリジナルのクリスタルイヤホーンの場合、片耳で大きく耳にフィットしません。その上、音量も小さく音質も悪く実用的ではありません。そこで、現代の小型高性能ヘッドホーン（又はイヤホーン）が使用できるよう回路を改修しました。ご使用時は、付属のモノラル→ステレオ変換プラグを使用してください。ヘッドホーンはインピーダンス16Ω～32Ωのダイナミック型をご使用ください。プラグは3.5mmφステレオ用(3極)です。マイク機能が付いている4極は使えませんのでご注意ください。 外観について ケースは独特の鮮やかな発色のプラスチック製ですが割れ、ヒビがありプラスチック補修剤で補修しています。強度的には全く問題ないのですが補修跡が目立ちます（写真参照）。革ケースはオリジナル品ですがヒビ、擦り傷、糸のほつれ等があり年代相応です（写真参照）。 内部は錆もほとんどなく年代の割には比較的きれいですが、絶縁チューブに少しベタ付きがあります。部品類は高抵抗、電解コン以外はほぼオリジナルです。ボリュームは固着していましたので分解・清掃後グリスアップしスムーズに回転します。 受信状況（参考） 感度もほどほど有り、屋外に出ると神奈川県西部の当地において在京７局を感度良くきれいに受信できます。屋内では音量が落ちますが、窓際に置くと十分な音量となります。 とは言え、約70年前の真空管ラジオです。現代のラジオに比べると感度、分離性能等は落ちますのでご理解ください。その上、電波状況は複雑で地形、建屋構造、昼夜等々で大きく変化します。又、本ラジオは指向性も強く出ますので、受信状況に関しては参考程度にしてください。室内で感度不足の場合、「フェライト同調アンテナ」を別途お譲りしますのでご使用ください（写真参照）。送料込みで3500円です。このアンテナに5m程度の室内アンテナと大地アースを接続し、ラジオ本体を近づけます。フェライト同調アンテナ及びラジオ側の同調を取るとびっくりする程感度が上がります。電池管のため不快なハム音は皆無で、小さなスピーカの割には聴きやすい音質かと思います。 主たる改修個所 １．9V→60V昇圧用DC/DCコンバータ追加２．DC/DCコンバータ追加に伴いB電源回路改修 ３．劣化した抵抗・コンデンサは新品と交換 ４．イヤホーン出力回路を低インピーダンス用に改修 主な性能 ラジオ本体 ・受信帯域：540kHz～1610kHz ・外形寸法(概寸)：横幅125mm・高さ85mm・奥行40mm ・質量（単二電池、9V電池、DC/DCコンバータ、革ケースを含む）：約600g ・消費電流：単二1.5V（ヒータ用）約200mA at 1.5V ：9V電池（B電源用）約55mA at 9V 予備品・付属品 予備品 １．真空管一式（1V6,5678,1AG5,1AG4 注：1AG4以外は未使用品） ２．単二アルカリ電池（新品） ３．9Vリチュームイオン電池（新品）
付属品１．リチュームイオン電池専用充電器（新品） ２．牛革製専用ケース（擦り傷、ヒビ、汚れ等あり） ３．モノラル→ステレオ変換プラグ（新品） ４．簡単な取り扱い説明書 ５．接続図(DC/DCコンバータ内部は除く) ６．紙製化粧箱（相当劣化していますが、当時物です）。尚、裏に「WHITE」の捺印があり本体と入れ替わっています。 イメージ妨害について DC/DCコンバータは、チョッパー方式によるステップアップコンバータです。スイッチングに伴うイメージ妨害が出る可能性があります。650kHz近傍の放送（例：富山NHK第一）をお聴きになる方は念のため入札をご遠慮ください。他の地域でも電波環境により妨害が強く出た場合、返金・返品を含め対策のご相談に応じます。 「全般的注意事項とお願い」 基本的には、製造後70年近く経た製品です。主要部品である真空管、IFT、局発コイル等は今後断線する可能性があります。梱包には細心の注意を払いますが、到着時鳴らなかった場合は修理を含めご相談させてください。到着後、１ヶ月以上経過した場合の不具合には応じることができませんのでご理解ください。但し、その後もメール等でのご相談には誠意をもって対応致しますが、無理難題はご勘弁ください。操作上、特に難しいことはありませんが、リチュームイオン電池の交換・充電或は真空管の交換等には細心の注意が必要です。その為、今後の維持・管理には電気及び真空管ラジオに関するある程度の知識・技能が必要です。失礼ながらこれら技術に疎い方は入札をご遠慮ください。携帯ラジオ本来の機能を発揮させ、実用に供するよう電源回路変更・部品追加等を行っておりオリジナル品ではありません。携帯ラジオは「屋外で鳴ってなんぼ」です。本ラジオは単なる観賞用ではありません。単にお飾りとして鑑賞される方、或はオリジナルにこだわりのある方も入札をご遠慮ください。 尚、トラブルを避けるため、ご不明な点は必ず入札前にご質問ください。 「その他注意事項」 ・繰り返しになりますが本体ケース、裏蓋には割れ、ヒビがあり補修しています。また革ケースにもヒビ、擦り傷、汚れ等があります。写真を良くご覧の上、充分ご承知おきください。 ・オークション終了後48時間以内に落札者情報をご連絡頂けない場合、予告なく落札者都合で落札を取消します。 ・DC/DCコンバータ追加、及び追加に伴う電源回路の一部改修を行っています。ご落札いただいた場合、その後の技術的フォローが必要となる場合もあるかと思いますので入札は最終ユーザ様に限定させていただきます。失礼ながら代行入札、転売目的の入札は固くご遠慮ください。